破産前の不動産売却

破産手続前に不動産を売却することはできます。
しかし、破産前に不動産を売却する場合にいろいろな問題が起こる可能性がありますので、問題が起きないように注意が必要です

安く売却しないこと

破産前に不動産を安く売却してしまうと、売却しない場合と比べて債権者に対する配当額が少なくなります。
このように破産前に債権者の利益に反する行為をすることが許されないとして、破産後に破産管財人から売却の効力が否定されることがあります。これを否認権といいます
具体的には、1,債務者が破産をした場合に債権者の配当が減ることを分かって財産を減少させる行為、2,受任通知後や破産申立後に財産を減少させる行為が否認の対象となります。
ここで「安く売却」の意味ですが、相場より多少低い金額であれば資金を確保する必要があったなどの事情も併せて否認の対象にならないと解釈される可能性がありますが、相場よりも3割以上低い金額となると否認権が成立する可能性は出てきます。
破産前に不動産を売却するには、まず安く売却しないことに注意する必要があります。

正当化できる使い道以外に売却代金を使わないこと

破産前に不動産を処分する時のもう一つの注意点として、正当化できる使い道以外に売却代金を使わないことがあります
正当化できる使い道としては、例えば、破産申立の弁護士費用、破産手続費用、管財費用に充てるというのがあります
次に、税金、社会保険料、従業員の給料などの支払いに充てるというのもあります。破産法上ふつうの債権よりも優先的に支払われるべきものだからです。
あと、今後の生活をみすえて、99万円の現金を手元に残しておくというのも正当化できると考えます
しかし、ここに書いた以外の用途に売買代金を使ってしまうと、破産前に不動産を売却しなかった場合とくらべて、債権者の配当が減少することになりますので認められません。破産法では安く売却した場合に否認の対象となると書きましたが、適正な値段で売却しても財産隠しのために売却した場合にはやはり否認の対象となります。
ですので、破産前に売却しても正当化できる使い道以外には売却代金を使わずに、破産管財人に売却代金を引き継ぐ必要があります。

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