個人事業主の売掛金

破産手続開始後の現金収入は自由財産といって破産管財人による処分対象とはならずに破産者は自由に使うことができます。
破産後は金融機関から借入をすることができなくなりますので、この現金収入は運転資金としてとても貴重になります。
ここで問題となるのが売掛金です。売掛金の中で破産開始決定が出された後の取引で生じた売掛金は自由財産ですので、破産管財人による処分対象とはなりません。破産者は自由に使うことができます。
しかし、破産手続開始前の取引によって生じた売掛金で入金が破産手続開始後になる場合は、破産管財人による処分対象となります。これは「破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」ということになって破産管財人の処分対象になることが法律で規定されていることによります(破産法34条2項)。 例えば医療機関が社会保険支払基金などに対して持っている診療報酬債権や介護事業者が国民健康保険団体連合会に対して持っている介護報酬債権などは診療や介護サービス利用から2ヶ月後に入金されますので、破産後に入金される場合でも破産前の診療や介護サービス提供によるものは、破産管財人の処分対象となってしまい、破産後の運転資金に回せないという問題があります。この点も考慮した上で事業継続を希望する場合は破産後の運転資金を確保できるかを判断する必要があります。

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